共鳴腔って何?④肺
さて、共鳴腔のラスト、4つ目は肺です。
ボイストレーニング(ボイトレ)を受けている方の中には、
「胸に響かせて」という言葉を聞いたことがある方もいると思います。
他の共鳴腔に比べて、声帯からは遠いですが、
体の中の最も大きな空間なので、これを使わない手は無いですね。
とは言っても、肺はそれこそ勝手に空間なので、
勝手に共鳴はします。では、何を気を付けたら良いのでしょうか。
肺は共鳴腔である前に、声を出す上で
最も大切な呼吸を担っている場所なので、
最もリラックスしてなければならないのです
(厳密には肺そのものがリラックスするわけではなく、
肺へ働きかける器官の話です)
そして、声は口だけでなく
「胸からゆったり広がっているんだ」という意識が大切です。
自分の胸に手を当て、ゆっくり低めの声を優しく出すと、
振動が手に伝わります。
この響きが、気道を通り、咽頭を通り、口腔、鼻腔を通るのです。
更には、腹式で下腹まで意識することを考えると、
声は喉から絞り出しているのではなく、
上半身の全体を使って出していることが実感できると思います。
このことを、いつも頭に入れて、
ボイストレーニング(ボイトレ)を行い
たっぷりと声を出せるようになると、
声はとても柔軟に反応しますし、
色々な顔を見せてくれますよ。