喉に乾燥は大敵!?
ボイストレーニング(ボイトレ)などで声を出す上で、
もっとも気を使いたい体の部分は、やはり直接声に関わってくる「のど」ですね。
のどは、上あごと舌の根元あたりから、
声帯のあるあたりまでを言います。
この部分に必要なのは、適度な「湿度」・「温度」、
そして何より、「清潔」に保つことです。
では、ここでは「湿度」について触れてみましょう。
のどは乾燥すると、つまり「湿度」が低いと
どうなってしまうのでしょうか?
まず、単純に風邪などの予防の為に「湿度」は大切です。
のどの粘膜は普段、粘液で濡れていて、
カゼ菌などのウイルスを外に出す為に働く線毛
(粘膜の表面にある突起のような細胞)の動きを粘液がスムーズにします。
線毛はベルトコンベアーのようにウイルスを外に運び出します。
ここが乾燥すると線毛の動きが鈍り、
ウイルスが進入しやすくなってしまいます。
口は大半のウイルスの最初の出入り口になりますから、
できればここで食い止めたいですね。
では、次に声を出すという目線で見てみましょう。
声の元を作る声帯も、のどの粘膜の一部なので、
粘液で濡れています。
声帯に十分な水分があれば、声帯は表面張力の効果も加わって、
うまく振動します。しかし、乾燥すると、
2枚のヒダになっている声帯同士の間隔が広がります。
その分、間を通る息の量が増え、
気化する為に余計に乾燥してしまうのです。
この時、声帯の振動が鈍くなってうまく鳴らない分、
息漏れのような状態になりかすれ声になります。
すると、かすれ声を直す為に、声帯の周りの筋肉に力が入り、
いわゆる力んだ声(発声)になってしまいます。
同時に、のど周りの筋肉が圧迫され、
血流が悪くなり、のど(声帯を含む)の粘膜の粘液量が減少し、
更に乾燥する・・・という、くり返しの悪循環になるのです。
こうしてみると、のどの乾燥は体の為にも声の為にも、
防ぎたいものだということが、分かりますね。