声はどうやって出るの?
ボイストレーニング(ボイトレ)を始める前に、
そもそも声はどうやって出るのか
について考えてみましょう。
声は、声帯の振動と鼻腔(鼻の穴からのどに続く穴の事)
などの空間の共鳴で成り立っています。
声の出る仕組みを、物を使って表してみましょう。
まず、輪ゴムと空き箱(お菓子の箱やティッシュの箱など)を用意して下さい。
輪ゴムは声帯の役割、空き箱は空間の役割です。
空き箱は、一辺を切り取っておきます(ちょうど蓋の無い入れ物のようになります。)。
輪ゴムを人差し指と親指にひっかけ、もう片方の手の指で弾いてみます。
すると輪ゴムは「ビーン」と小さな音がします。
更によく見てみると、「ビーン」となっている間は
輪ゴムが細かく振動しているのが分かります。
では、次にこの輪ゴムを箱の面の無い部分に交差するように引っかけて下さい。
そして、再度指で弾くと、今度はさっきより大きくはっきりと音がすると思います。
これは、輪ゴムの発する振動音が、箱の中で反響し合い、
まとまった音になって聞こえてくるからです。
では、声はどういう仕組みで作られるのでしょうか?
人間の気管(息の通り道)の出入り口と呼ばれるとても小さな2枚のひだがあります。
普段、呼吸をしている時は開いています。
声を出す時は、この2枚のひだが閉じ、ひだの間を息が通って振動します。
ちょうど輪ゴムを弾いた状態です。この時、とても小さな振動音が出ます。
これが声の元です。この振動音が、まず気道内で共鳴し、
更に口や鼻の空間でうまく共鳴して、初めて声になります。
さっきの実験の、箱にひっかけた輪ゴムの音のような状態ですね。
(※厳密には、人間の気管や空間の壁は軟らかいので、
反響とは意味合いが異なりますが・・・
声を出す時には、この空間がとても大切になりますので、
イメージとして捉えてみて下さい。)
この共鳴する空間のコントロール(広げたり、狭めたり)で、
人間は実に様々な声を作り出すことが出来るのです。