子音の分類2 鼻音
次は、息の通る場所を変えた鼻音について説明しましょう。
破裂音同様に、唇や舌で息をせき止めるものの、
突き破ることをせずにそのまま鼻から出した時の音を鼻音と言います。
発音記号でいうと[有声音m、n、ɲ、ŋ]という音になります。
鼻音には無声音はありません。鼻は構造上、
息をせき止めることは出来ないので、
ただ息が出ていくだけになります。
その時に音は出ませんので、
必然的に声を出さないといけないのです。
例えば、破裂音の時に出した「p」を言おうとして、
唇は開けずに鼻に息を抜きながら声を出すと「m」という音になると思います。
また、破裂音「g」と言おうとすると舌の根元を開こうとすると思いますが、
開かずにやはり鼻に息を抜きながら声にすると、「n」という音になると思います。
このように、破裂音と鼻音は
仕組みだけで言うとちょっとした息の扱いの違いですが、
これだけ様々な音を作りだすことができるのです。
また、発音に迷う音でもあるかもしれません。
「マ(ma)」と「ナ(na)」だと違いは分かりますが、
「m」と「n」だけだと、どちらも同じだと思ってしまう人が多いのです。
「そんな大したことではない」と思う人もいるかもしれませんが、
例えば、ハミングでハモる時など、人によって違う出し方をしてしまうと、
それだけで、息の流れや響く場所が変わってしまうので、
ハーモニーが崩れてしまうこともあるのです。
発音記号で表した[m、n、ɲ、ŋ]の各々も、
日本語ではあまり区別して使う音ではないので、
発音そのものにも迷ってしまいます。
これが、ボイストレーニング(ボイトレ)のレッスンでも、
意外と苦戦するところです。
これらの違いやトレーニングについては、
もっと掘り下げて説明したいので、また別項目で書きましょう。